液体用フレコンバッグとは?
構造・選び方・使用時の注意点をわかりやすく解説
フレコンバッグは、粉体・粒体・原料・廃棄物などの輸送や保管に広く使用されています。
では、
「水や液体もフレコンバッグに入れられるのでしょうか?」
結論から言えば、液体に対応したフレコンバッグを製作することは可能です。
ただし、一般的な粉体用フレコンバッグをそのまま液体用途に使用することはできません。
液体の場合は、内容物を保持するための**専用ライナー(内袋)**を組み合わせ、内容物の性質や比重、充填・排出方法、輸送条件などを考慮した設計が必要になります。
今回は、液体用フレコンバッグの基本的な構造から、選定する際に確認しておきたいポイントまで解説します。
液体用フレコンバッグはどんな構造?
一般的なフレコンバッグの本体には、PP(ポリプロピレン)クロスが使用されています。
PPクロスは高い強度を持っていますが、織物であるため、それ自体に液体を保持する機能はありません。
そこで液体用途では、フレコンバッグの内部にPE(ポリエチレン)などで製作した液体用ライナーを組み合わせます。
簡単に言えば、
外側のフレコンバッグ → 重量を支える
内側のライナー → 液体を保持する
という二重構造です。
この二つは、それぞれ役割が異なります。
そのため、液体用フレコンを考える際には「丈夫なフレコンを作ればよい」のではなく、外袋と内袋を一つの容器として設計することが重要になります。
普通の「内袋付きフレコン」と何が違う?
ここは液体用フレコンを検討するときに、特に注意したいポイントです。
粉体用フレコンでも、防湿や内容物の漏れ防止を目的としてPE内袋を使用することがあります。
そのため、
「内袋付きフレコンなら液体も入れられるのでは?」
と思われるかもしれません。
しかし、一般的な粉体用PE内袋は、必ずしも液体を保持することを前提として設計されているわけではありません。
液体用途では、
ライナーの材質
フィルムの厚み
シール方法
溶着部分の強度
注入口の構造
排出口の構造
内容物との耐薬品性
などを確認する必要があります。
特に液体は、小さな穴やシール不良でも漏洩につながります。
したがって、
「PE内袋が入っている=液体に使用できる」
とは限りません。
用途に合わせたライナー設計が重要です。
液体用フレコンにはどんなタイプがある?
液体用フレコンも、使用方法によって仕様を変更できます。
① シンプルなライナー付きタイプ
外側のフレコンバッグと、液体を保持する専用ライナーを組み合わせた基本的な構造です。
液体の種類、容量、使用方法に合わせてライナー材質や厚みなどを検討します。
② 注入口付きタイプ
上部に液体を充填するための注入口を設けます。
ホースや充填設備から液体を投入する場合には、設備側の口径に合わせて注入口寸法を設計することも可能です。
③ 排出口付きタイプ
下部に排出口やバルブを設け、内容物を取り出しやすくした仕様です。
バッグを持ち上げて下から排出する工程などでは、作業性を大きく改善できる可能性があります。
一方で、液体の場合は排出口周辺が漏洩リスクの高い部分になるため、構造や密閉方法について十分な検討が必要です。
④ 特殊形状・設備専用タイプ
フレコンバッグは柔軟性のある包装資材なので、既存設備に合わせた形状や寸法を設計できることも大きな特徴です。
例えば、
「この架台の中に収めたい」
「この機械にセットして使用したい」
「高さに制限がある」
「吊り上げた状態で排出したい」
といった条件に合わせて、寸法や吊りベルト、注入口・排出口などを検討します。
液体用フレコンを選ぶ前に確認したい6つの条件
液体用フレコンは「何リットル入れたいか」だけでは仕様を決められません。
少なくとも次の条件を確認する必要があります。
1.内容物
まず何を入れるのか。
水なのか、油なのか、液体原料なのか、薬品なのかによって必要なライナー材質が変わります。
内容物によってはフレコンでの対応が適切でない場合もあります。
2.比重
液体の場合、容量と重量は同じではありません。
例えば1,000Lでも、
比重1.0なら約1,000kg、
比重1.2なら約1,200kgになります。
そのため「1,000L入る」という情報だけでフレコンの強度を決定することはできません。
容量ではなく、実際の最大充填重量まで確認することが重要です。
3.充填時の温度
同じ液体でも、常温で充填する場合と高温状態で充填する場合では条件が異なります。
特にPEライナーは温度によって物性が変化するため、充填時の液温を事前に確認する必要があります。
4.充填方法
どのように液体を入れるのかも重要です。
ホースなのか、ポンプなのか、専用充填設備なのか。
設備側の接続方法や口径が分かれば、それに合わせて注入口を設計できます。
5.排出方法
液体を「入れること」だけ考えて、意外と忘れられやすいのが排出方法です。
実際の現場では、
どう入れるか以上に、どう出すかが作業性を左右することがあります。
ポンプで吸い出すのか、下部から自然排出するのか、フレコンを吊り上げて排出するのか。
使用工程まで確認しておくことが重要です。
6.輸送・保管方法
工場内だけで使用するのか、トラック輸送するのか、長期間保管するのかによっても必要な仕様は変わります。
液体は輸送中に内部で動くため、粉体や粒体とは異なる荷重が発生します。
そのため、バッグ単体だけではなく、実際にどのような状態で輸送・保管するのかまで含めて検討する必要があります。
ドラム缶やIBCではなく、なぜフレコンなのか?
液体輸送には、フレコン以外にもドラム缶、樹脂容器、IBCコンテナなど、さまざまな選択肢があります。
そのためEBO産業では、液体用フレコンのお問い合わせをいただいた場合、
「フレコンが製作できるか」だけではなく、「なぜフレコンを使用したいのか」
を確認することが重要だと考えています。
例えば、
使用後の空容器をコンパクトにしたい
容器の保管スペースを削減したい
吊り上げて使用したい
既存設備に合わせた専用容器が必要
ドラム缶では作業性が悪い
特殊な容量・寸法が必要
など、目的によってフレコンを採用するメリットは変わります。
反対に、使用条件によってはドラム缶やIBCなどのほうが適している場合もあります。
「製作できること」と「その現場に適していること」は、必ずしも同じではありません。
容器単体ではなく、充填・輸送・保管・排出まで含めて考えることが大切です。
液体用フレコンでよくある失敗
液体用途では、ちょっとした仕様の違いが漏洩や作業トラブルにつながります。
例えば、
粉体用の内袋付きフレコンをそのまま流用する
容量だけで選び、液体の比重を確認していない
注入口は作ったが、実際の充填設備とサイズが合わない
排出口を付けたものの、現場では使いにくい
バッグだけ設計して、輸送時の形状や安定性を考えていない
といったケースです。
だからこそ、既製品の中から「近いもの」を探すだけではなく、実際の使用条件から仕様を決めることが重要になります。
液体用フレコンについてよくある質問
Q.普通のフレコンにPE内袋を入れれば液体に使えますか?
必ずしも使用できるとは限りません。
液体の種類、比重、温度、ライナーの材質・厚み・シール構造などを確認する必要があります。
Q.小容量でも製作できますか?
用途や必要数量などによりますが、小容量タイプについても検討可能です。
一般的な1t用フレコンだけではなく、使用設備や必要容量に合わせた特殊寸法についてもご相談ください。
Q.食品や薬品にも使用できますか?
内容物によって必要となる材質、衛生管理、法規制等が異なります。
食品・化学品だから一律に「使用可能」と判断するのではなく、内容物と使用条件を確認したうえで個別に検討する必要があります。
Q.危険物にも使用できますか?
危険物については、内容物や輸送方法等によって適用される法令・規格が異なるため、通常の液体用フレコンとは分けて検討する必要があります。
事前に内容物の詳細をご提示ください。
液体用フレコンをご検討の際は、まず使用条件をお聞かせください
EBO産業株式会社では、一般的なフレコンバッグだけではなく、内容物や使用設備に合わせたオーダーメイドフレコンバッグのご相談にも対応しています。
液体用フレコンをご検討の場合は、
「何Lの袋が欲しい」だけでなく、
「何を入れるのか」
「何kgになるのか」
「どうやって充填するのか」
「どう運ぶのか」
「どうやって排出するのか」
までお聞かせください。
図面がない場合でも、現在使用している容器の写真や寸法、使用方法、現場で困っていることなどから仕様を検討できます。
「こんな使い方ができるフレコンは作れないか?」
という段階からでも構いません。
既製品では対応しにくい液体用フレコン、特殊サイズ、特殊形状についても、お気軽にEBO産業株式会社までご相談ください。
EBO産業株式会社
sales1@ebohomes.jp
担当:金沢
